【行政法 記述式Q1|答え・解説】法律による行政の原理
行政書士試験・行政法|記述式 解説
答え
① 法律 ② 侵害留保説 ③ 義務 ④ 権利
法律による行政の原理とは、 行政の活動は国会が制定した法律に基づいて 行われなければならないとする、 行政法上の基本原則です。
この原理の具体的内容の一つが、 法律の留保の原則です。 すなわち、一定の行政活動については、 あらかじめ法律の根拠が必要とされます。
法律の留保の及ぶ範囲について、 判例・通説は侵害留保説を採用しています。 侵害留保説とは、 国民に義務を課し、 または権利を侵害する行政活動についてのみ、 法律の根拠を必要とするという考え方です。
したがって、行政による補助金の交付や 行政指導のように、 国民の権利義務に直接の不利益を与えない行為については、 原則として法律の根拠は不要と解されます。
一方で、命令・禁止・強制といった 国民の自由や財産権を制限する行政作用については、 必ず法律の根拠が要求される点が、 記述式試験での重要な整理ポイントとなります。
▼ 直接的な参考法令・判例
・法律による行政の原理(行政法の一般原則)
・侵害留保説(判例・通説)
▼ 記述式試験対策ポイント
・「法律」「義務」「権利」は定義語として正確に記載
・法律の留保=すべての行政活動ではない点を明示
・侵害留保説の対象範囲を具体例で説明できると高評価
