【民法 記述式Q1|答え・解説】信義誠実の原則
行政書士試験・民法|記述式 解説
答え
① 信義 ② 誠実 ③ 信義則上の説明義務 ④ 債務不履行
民法1条2項は、 「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い、 誠実に行わなければならない」と規定し、 私法秩序全体に妥当する信義誠実の原則を定めています。
この原則は、契約内容が明文で定められていない場合であっても、 当事者間の信頼関係を基礎として、一定の作為・不作為義務を導く 根拠となります。
もっとも、契約締結前の段階において、 一方当事者が信義則上の説明義務に違反した場合でも、 判例(最判平成23年4月22日)は、 その責任を原則として債務不履行責任とは構成しない と判示しています。
これは、契約がまだ成立していない以上、 契約上の債務そのものが存在せず、 債務不履行を観念できないためです。
したがって、このような場合に問題となるのは、 原則として不法行為責任である点が、 記述式試験では重要な整理ポイントとなります。
▼ 直接的な参考法令・判例
・民法1条2項(信義誠実の原則)
・最判平成23年4月22日(契約締結上の過失)
▼ 記述式試験対策ポイント
・「信義」「誠実」は条文どおり正確に書く
・契約締結前段階では債務不履行にならない点を明確化
・責任構成(債務不履行 vs 不法行為)の切り分けが高配点
