- 行政法(択一・記述)
- 2026年2月25日
講義28:【行政事件訴訟法】取消訴訟の訴訟要件③「訴えの利益・被告適格・出訴期間」を完全攻略
「裁判に勝ちたい!」と思って訴訟を起こしても、裁判所から「も……

「地方議会って、いつ開かれているの?」「多数決で決まるっていうけど、過半数でいいの?」
ニュースで議会の様子を見ることはあっても、その裏側にある厳格な運営ルールまでは意外と知らないものです。
地方自治法における「議会の運営」は、数字(定足数や表決数)や権限の所在(誰が招集するか)が細かく規定されており、行政書士試験の択一式問題で頻繁に狙われるポイントです。
特に、「特別多数決」が必要なケースや、「臨時会の招集請求」の手続きは、正確に暗記していないと正解できません。
今回の講義では、議会の招集から閉会までのルール、そして議決に必要な要件について、比較表や具体例を使いながら徹底解説します。
議会は勝手に集まって会議を始めるわけではありません。法的な手続きに則って「招集」され、「会期」の間だけ活動するのが原則です。
議会を招集する権限は、原則として「長(知事・市町村長)」にあります(101条1項)。
議長ではありません。ここが最初のひっかけポイントです。
【招集の告示期限】
長は、開会の日前に以下の期間を置いて告示しなければなりません(緊急時は短縮可)。
・都道府県・市:7日前まで
・町村:3日前まで
| 種類 | 開催時期 | 扱える案件 |
|---|---|---|
| 定例会 | 毎年、条例で定める回数招集される。 (通常は年4回:3月、6月、9月、12月) |
すべての案件を審議可能。 |
| 臨時会 | 必要がある場合に、その都度招集される。 | 原則として、長があらかじめ告示した事件に限られる。 (※ただし、議会の同意があれば他の事件も審議可能) |
条例で定めれば、定例会・臨時会という区分を廃止し、「1年(条例で定める日から翌年の前日まで)」を会期とすることも可能です。
この場合、長は招集する必要がなく、議長が会議を開く日(定例日)を決めたり、必要に応じて会議を開いたりします。
長が招集しないと議会が開けないのでは、議会側のチェック機能が働きません。
そこで、議会側から長に対して「臨時会を開いてくれ」と請求する権利が認められています。
【請求できる人】
1. 議長(議会運営委員会の議決を経て)
2. 議員(議員定数の4分の1以上の者)
【長が無視した場合の特例】
請求があった日から20日以内に長が招集しないときは、「議長」が臨時会を招集することができます(101条5項)。
※これは平成24年改正で追加された、議会の自律権を強化する重要な規定です。
議会が開かれた後の運営ルールについて見ていきましょう。
地方議会の会議は、原則として「公開」しなければなりません(傍聴の自由)。
しかし、プライバシーに関わる案件など、公開が適当でない場合は「秘密会」を開くことができます。
【秘密会の要件】
以下の2つのステップが必要です。
1. 発議:議長 または 議員3人以上
2. 議決:出席議員の3分の2以上の多数
「過半数」ではなく「3分の2以上」という特別多数決が必要です。密室政治を防ぐため、ハードルが高く設定されています。
会期中に議決に至らなかった案件(審議未了)は、次の会期には引き継がれず、廃案となります。
ただし、議決によって「閉会中の継続審査」とすれば、次の会期でも審議を続けることができます。
一度議決された事件は、同じ会期中には再び審議・議決することはできません(地方自治法には明文規定はありませんが、会議規則の標準として一般に認められています)。
議会が有効に成立し、意思決定をするためには、一定数以上の議員の出席と賛成が必要です。
原則と例外(特別多数決)をしっかり区別しましょう。
【可否同数の場合】
賛成と反対が同数の場合は、「議長」が決します(議長決裁権)。
※この場合、議長は「議員としての1票」は持たず、最後に決める権限だけを持ちます。
重要な案件については、より慎重な審議と多くの賛成が求められます。
以下の表は試験直前に必ず確認してください。
| 案件 | 定足数(出席要件) | 表決数(賛成要件) |
|---|---|---|
| 原則 | 定数の1/2以上 | 出席議員の過半数 |
| 秘密会の議決 | 定数の1/2以上 | 出席議員の2/3以上 |
| 議員の資格決定 (被選挙権の有無など) |
定数の1/2以上 | 出席議員の2/3以上 |
| 除名 (最も重い懲罰) |
定数の2/3以上 | 出席議員の3/4以上 |
| 議員・長の解職請求 (リコール投票の結果) |
– | 投票総数の過半数 (※議会の議決ではない) |
| 主要公務員の解職 (副知事など) |
定数の2/3以上 | 出席議員の3/4以上 |
| 長の不信任決議 | 定数の2/3以上 | 出席議員の3/4以上 |
・「クビにする系(除名、解職、不信任)」は、定数2/3出席・出席3/4賛成という「一番厳しい要件」。
・「秘密会」と「資格決定」は、出席2/3賛成という「中くらいの要件」。
・それ以外は過半数。
議会で審議するネタ(議案)を出せるのは誰でしょうか?
議員が、自分や家族の個人的な利益に関わる議案の審議に参加することを禁止する制度です(117条)。
公正さを保つためです。
【除斥の対象となる事件】
・自己または父母、祖父母、配偶者、子、孫、兄弟姉妹の一身上に関する事件。
・自己または上記親族の従事する業務に直接の利害関係のある事件。
【効果】
議事に参与できません(退場しなければなりません)。
ただし、「議会の同意」があれば、会議に出席し、発言することができます(議決には加われません)。
除斥されるべき議員が参加してなされた議決は、その議員の参加が議決の結果に影響を及ぼさない場合(その1票を除いても可決される場合など)を除き、違法・無効となります。
議会の内容は記録に残さなければなりません。
正解 5
解説:
1. 誤り。招集権者は原則として長です。
2. 誤り。原則は告示事件に限られますが、議会の同意があれば他の事件も審議できます(102条5項)。
3. 誤り。20日以内に「招集しなければならない」とされていますが、正確には「招集の告示」等を行う義務です。しかし、より明確な正解は5です。
4. 誤り。長が招集しない場合、招集できるのは「議長」です(101条5項)。請求した議員ではありません。
5. 正しい。通年会期制の規定(102条の2)通りです。
正解 3
解説:
1. 秘密会:出席議員の2/3以上。
2. 資格決定:出席議員の2/3以上。
3. 除名:出席議員の3/4以上(かつ定数の2/3以上の出席)。
4. 条例:過半数。
5. 決算:過半数。
正解 4
解説:
1. 妥当である。除斥の規定(117条)です。
2. 妥当である。秘密会の要件(115条1項)です。
3. 妥当である。議案提出権の要件(112条)です。
4. 妥当でない。議長が決裁権を行使する場合、議長は「議員としての議決権(1票)」を有しません(116条2項)。二重に投票できるわけではありません。
5. 妥当である。会期不継続の原則と例外(109条8項)です。
議会の運営は、数字の暗記が合否を分けます。
特に「除名」や「不信任」といった重い処分には、最も厳しい要件(定数2/3出席+出席3/4賛成)が必要だというイメージを持っておくと、忘れにくいでしょう。
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