講義50:【地方自治法】国との紛争処理と自治体間連携を完全攻略!係争処理委員会と事務委託
「国から『違法だから直せ(是正の指示)』と言われたけど、納得できない!」 「隣の町と一緒にゴミ処理をしたいけど、組合を作るほど大掛かりなことはしたくない…」 地方分権が進み、国と地方が「対等・協力」の関係になった現在、意見が対立したときの解決ルール(紛争処理)は非常に重要です。 また、人口減少社会……
行政書士試験の最重要科目「行政法」の解説記事一覧です。総論・手続法・救済法・地方自治法の重要論点を、独学者向けにわかりやすく解説。第1回から順に読み進めることで、合格に必要な知識を基礎から応用まで体系的に身につけることができます。
「国から『違法だから直せ(是正の指示)』と言われたけど、納得できない!」 「隣の町と一緒にゴミ処理をしたいけど、組合を作るほど大掛かりなことはしたくない…」 地方分権が進み、国と地方が「対等・協力」の関係になった現在、意見が対立したときの解決ルール(紛争処理)は非常に重要です。 また、人口減少社会……
「地方分権」という言葉を聞いたことがあると思います。かつては国が地方に対して「あれをやれ、これをやれ」と命令する上下関係(機関委任事務)がありましたが、現在は「対等・協力」の関係に変わりました。 しかし、対等だからといって、国が地方に全く口出しできないわけではありません。地方自治体が法律違反をして……
「市役所の空きスペースにカフェが入っているけど、あれはどういう仕組み?」 「町内会で集会所を持っているけど、登記はどうなっているの?」 地方自治法では、自治体の組織や議会だけでなく、自治体が持っている「モノ(財産・施設)」や、地域住民で作る「団体(町内会など)」についてもルールを定めています。 ……
「自治体のお金が正しく使われているか、誰がチェックしているの?」 地方自治法では、執行機関(長など)が適正に事務を行っているかを監視するために、独立した機関として「監査委員」を置くことを義務付けています。 さらに、内部の監査委員だけでは「身内びいき」になる恐れがあるため、外部の専門家(公認会計士や……
「地方自治法の『財務』って、簿記の知識がないと無理ですか?」 いいえ、そんなことはありません。行政書士試験で問われるのは、計算方法ではなく「お金に関するルール(法律)」です。 自治体のお金は、住民の税金です。だからこそ、使い道(予算)を決める手続きや、使い終わった後のチェック(決算)、業者との契約……
「市長と市議会が対立して、予算が決まらない!」 ニュースでたまに見かける光景ですが、地方自治法では、このように長(執行機関)と議会(議決機関)が対立した場合の解決ルールが細かく決められています。 国の政治(議院内閣制)とは異なり、地方自治体では「二元代表制」が採用されています。 長も議員も、どちら……
「地方自治体のトップは知事や市長だけど、教育委員会や選挙管理委員会とはどういう関係なの?」 「副知事や会計管理者はどうやって選ばれるの?」 地方自治法における「執行機関」の分野は、組織図をイメージしながら役割分担を理解することが重要です。 地方公共団体は、意思決定を行う「議会(議決機関)」と、実際……
「地方議会って、いつ開かれているの?」「多数決で決まるっていうけど、過半数でいいの?」 ニュースで議会の様子を見ることはあっても、その裏側にある厳格な運営ルールまでは意外と知らないものです。 地方自治法における「議会の運営」は、数字(定足数や表決数)や権限の所在(誰が招集するか)が細かく規定されて……
「地方議会って、何をするところ?」 ニュースで「百条委員会(ひゃくじょういいんかい)」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これは地方自治法100条に基づく議会の強力な調査権のことです。 地方自治法において、議会は「議事機関(意思決定機関)」として、執行機関(長)と対等の立場で市政・県政をチ……
「条例」と「規則」。どちらも地方公共団体が定めるルールですが、この2つの違いを明確に説明できますか? 「議会が決めるのが条例で、長が決めるのが規則」というのは基本ですが、試験ではもっと踏み込んだ知識が問われます。 例えば、「条例で懲役刑を科すことはできるか?」「国の法律よりも厳しい規制を条例で定め……
「市長が違法な契約をして、市の予算を無駄遣いしている!」 このような場合、住民はまず監査委員に対して「住民監査請求」を行うことができます(前回の講義で解説しました)。 しかし、監査委員が「問題ない(棄却)」と判断したり、勧告が出ても市長が無視したりした場合、住民はどうすればよいのでしょうか? ここ……
地方自治法の中でも、特に受験生を悩ませるのが「数字」と「請求先」の暗記です。 「条例を作ってほしいときは誰に請求するんだっけ?」「リコール(解職請求)に必要な署名数は?」 これらは「直接請求制度」と呼ばれる、住民が直接政治に参加する仕組みです。 さらに、税金の無駄遣いをチェックする「住民監査請求」……
行政法の中でも、条文数が多く、出題数も多い(例年3問程度)のが「地方自治法」です。 「都道府県や市町村のことは何となく分かるけど、中核市とか特別区とか、細かい分類になると自信がない…」という方も多いのではないでしょうか。 また、地方公共団体がこなしている仕事には「自治事務」と「法定受託事務」という……
「公立学校の先生が生徒に怪我をさせた場合、給料を払っている県と、学校を設置している市の、どっちを訴えればいいの?」 「消防士のミスで消火活動に失敗して家が全焼した。これって国家賠償請求できる?」 これまでの講義では、国家賠償法1条(公務員の過失)と2条(モノの欠陥)の成立要件を学んできました。 今……
「道路に穴が開いていて転んで怪我をした!」 「大雨で川が氾濫して家が浸水した!」 このような事故が起きた場合、公務員のミス(過失)を証明するのは難しいことがあります。 しかし、国家賠償法2条は、公務員の過失がなくても、「モノ(営造物)に欠陥(瑕疵)があった」という事実だけで国や自治体に賠償責任を負……
「警察官の不当な取り調べで怪我をした」 「公立学校の先生が目を離した隙に、子供が事故に遭った」 「役所の申請手続きが遅すぎて、事業に失敗した」 公務員の活動によって損害を受けた場合、私たちは誰に、どのように賠償を求めればよいのでしょうか? 公務員個人を訴えるべきか、それとも国や自治体を訴えるべきか……
「土地を収用されたけど、補償金額が安すぎる!もっと増額してほしい!」 「公務員を不当にクビ(免職)になった。処分の取消しだけでなく、公務員としての地位を確認したい!」 これまでの講義では、行政庁の処分そのものを攻撃する「抗告訴訟(取消訴訟など)」を中心に学んできました。 しかし、行政をめぐるトラブ……
「営業許可の申請をしたのに、役所がずっと無視している。早く許可を出させたい!」 「違法な建築工事が始まりそうだ。完成してから取り消しても遅いから、事前に止めたい!」 これまでの講義で学んだ「取消訴訟」は、すでに出された処分を事後的に消すためのものでした。 しかし、私たちの悩みはそれだけではありませ……
「処分の通知が届いてから1年以上経ってしまった! もう取消訴訟は起こせないの?」 「営業許可の申請をしたのに、役所がずっと無視している。どうすればいい?」 取消訴訟の出訴期間(6ヶ月・1年)を過ぎてしまった場合や、そもそも処分をしてくれない(不作為)場合には、取消訴訟以外の手段を使う必要があります……
長い裁判の末、ついに判決が下されます。 「処分を取り消す」と言われたら、具体的にどのような効果が発生するのでしょうか? また、「違法だけど取り消さない」という不思議な判決(事情判決)があることをご存知でしょうか? 行政事件訴訟法の学習もいよいよ大詰めです。今回は、裁判のゴールである「判決の種類と効……
「営業停止処分を受けたので、取消訴訟を起こしました!」 しかし、裁判の結果が出るまでには半年、1年とかかるのが普通です。その間、お店はずっと営業停止のままなのでしょうか? もしそうなら、勝訴判決が出た頃にはお店が潰れてしまっているかもしれません。 「裁判に勝ったけど、もう手遅れだった」 そんな悲劇……
「訴訟要件(処分性や原告適格など)」をクリアして、いよいよ裁判所の中に入ることができました。 では、法廷では具体的にどのようなルールで審理が進められるのでしょうか? 「行政訴訟も裁判なんだから、民事裁判と同じでしょ?」 基本的にはその通りです。しかし、行政事件には「公益性」や「行政庁と国民の間の情……
「裁判に勝ちたい!」と思って訴訟を起こしても、裁判所から「もう勝っても意味がないですよ(訴えの利益なし)」とか、「訴える相手が違いますよ(被告適格なし)」と言われて門前払い(却下)されてしまうことがあります。 行政事件訴訟法では、処分の違法性を主張する前に、まずこの「訴訟要件」をクリアしなければな……
「近所にパチンコ屋ができる許可が出た! 教育に悪いから取り消してほしい!」 「ライバル店がすぐ近くに営業許可をもらった! 売上が減るから訴えてやる!」 行政庁の処分に対して、このような不満を持つ人はたくさんいます。しかし、裁判所は誰の訴えでも聞いてくれるわけではありません。 「あなたには、その処分……
「行政庁の処分に納得がいかない! 裁判で白黒つけたい!」 そう思って裁判所に訴状を出しても、実は簡単には裁判をしてもらえません。 裁判所は「その訴えは、裁判をするための条件(パスポート)を持っていませんね」と言って、中身を審理することなく門前払いしてしまうことがあります。これを「却下(きゃっか)」……
行政不服審査法(役所への文句)の学習が終わり、いよいよ行政法のクライマックスである「行政事件訴訟法(裁判所への訴え)」に入ります。 「行政訴訟」と一口に言っても、実は様々な種類があります。 「営業停止処分を取り消してほしい!」という訴えと、「私は日本国籍を持っていることを確認したい!」という訴え、……
審査請求の審理が終わると、いよいよ最終的な判断である「裁決(さいけつ)」が下されます。 「却下」と「棄却」の違いは大丈夫でしょうか? また、違法なのに処分を取り消さない「事情裁決」という特殊なケースも試験では頻出です。 さらに、行政不服審査法には、審査請求以外にも「再調査の請求」と「再審査請求」と……
審査請求書を提出した後、役所の中ではどのように手続きが進んでいくのでしょうか? 「提出したら、あとは結果を待つだけ」ではありません。審査請求人(あなた)には、処分庁の言い分(弁明書)に対して反論したり、証拠書類を見せろと言ったり、口頭で意見を言ったりする権利が与えられています。 また、審査の結果が……
「処分に不服があるときは、誰に対して、いつまでに審査請求をすればいいの?」 行政不服審査法の学習が進むと、登場人物(処分庁、審査庁、審理員、行政不服審査会…)が増えてきて、誰が何をするのか混乱してしまいがちです。 しかし、この「手続きの流れ」こそが、行政不服審査法の心臓部であり、本試験でも頻出のエ……
行政法学習の後半戦、「行政救済法」に入ります。 これまでは「行政がどのような活動をするか(行政作用法)」を学んできましたが、ここからは「行政の活動によって国民が被害を受けたとき、どうやって救済を求めるか」という、国民にとって最も重要なテーマを扱います。 「営業停止処分を受けたけど納得できない!」「……
「国会が法律を作る」というのは常識ですが、実際には、法律の細かい中身(政令や省令など)は行政機関が決めています。 しかし、役所の担当者が密室で勝手にルールを決めてしまったら、国民生活に合わない変な規制ができたり、特定の業界に有利なルールができたりする恐れがあります。 そこで登場するのが「意見公募手……
「役所から『この書類を出してください』と言われたけど、これって義務なの? それとも単なるお願い?」 行政書士の実務でも、試験勉強でも、この「行政指導」の扱いは非常に重要かつ悩ましいテーマです。 行政指導は、法的には「単なるお願い(任意)」ですが、実態としては「従わないと許認可が下りないかも…」とい……
前回の講義では、不利益処分を行う前に「聴聞(ちょうもん)」か「弁明の機会の付与」のどちらかを行う必要があることを学びました。 今回は、その中でも特に手厚い手続きである「聴聞」の具体的な流れについて深掘りします。 「聴聞」と聞くと、裁判のような厳格なシーンを思い浮かべるかもしれません。しかし、行政手……
「営業停止処分」や「免許取消処分」など、国民にとってダメージの大きい「不利益処分」。 いきなりこんな処分が届いたら、誰だって「言い分を聞いてくれ!」と思いますよね。 行政手続法は、不利益処分を行う前に、相手方に言い訳のチャンス(意見陳述の機会)を与えることを義務付けています。 しかし、その方法は「……
「飲食店を開きたいから許可申請を出したのに、いつまで経っても返事が来ない…」 「不許可通知が来たけれど、理由が書いてなくて納得できない!」 もし行政手続法がなかったら、私たちはこのような理不尽な対応に泣き寝入りするしかありません。 行政手続法の第2章「申請に対する処分」は、国民が行政庁に対して許認……
行政書士試験において、行政手続法は「満点を狙うべき科目」です。 条文数が少なく、出題パターンも決まっているため、しっかりと対策すれば確実に得点源になります。 しかし、条文の読み込みが甘いと、「申請と届出の違い」や「適用除外の細かい規定」で思わぬ失点をしてしまいます。 「地方公共団体の処分には行政手……
行政法を勉強していると、「強制執行」と「即時強制」の違いで混乱することがよくあります。 どちらも国民の身体や財産に実力を行使する点では同じですが、その「前提条件」が全く異なります。 また、「罰金」と「過料」の違いや、「課徴金」と「刑事罰」は両方科されるのか?といった論点も、試験では頻出です。 今回……
行政庁が「違法建築物を壊しなさい」と命令しても、相手が無視し続けたらどうなるでしょうか? 民間の世界なら、裁判所に訴えて判決をもらい、強制執行を申し立てるという長い道のりが必要です。 しかし、行政の世界には「自力執行力」という特権があります。裁判所の力を借りずに、行政庁自らの手で強制的に義務を実現……
行政法を学んでいると、「行政庁が一方的に命令する(行政行為)」場面ばかりが目立ちますが、実際には行政も私たちと同じように「契約」を結んだり、情報を集めるために「調査」を行ったりしています。 「水道を引くのは契約?それとも許可?」「警察官の職務質問はどこまで許されるの?」 こうした疑問は、行政法の「……
都市計画や公共事業など、行政活動の多くは長期的な「計画」に基づいて行われます。 しかし、この「行政計画」は、時代の変化や財政状況によって変更されたり、中止されたりすることがあります。 では、行政が一度「ここに工場を誘致する!」と計画を立てておきながら、後になって「やっぱり中止」と言い出した場合、そ……
「法律を作るのは国会(立法権)の仕事」 これは憲法で習う大原則です。しかし、実際には国会ですべての細かいルールを決めることは不可能です。建築基準法で「釘の太さ」まで決めていたら、審議がいくらあっても終わりません。 そこで、細かいルールの設定を行政機関に任せる仕組みがあります。これが「行政立法(ぎょ……
行政法を勉強していると、「行政裁量(ぎょうせいさいりょう)」という言葉に必ずぶつかります。 「法律に基づいた行政」が原則のはずなのに、なぜ行政庁に自由な判断(裁量)が認められるのでしょうか?そして、その判断が間違っていた場合、裁判所はどこまで口出しできるのでしょうか? 実は、この「行政裁量」の分野……
行政書士試験の勉強を進めていると、「行政行為」という言葉には慣れてきた頃かと思います。しかし、行政庁が許可や認可を出す際、単に「いいよ」と言うだけでなく、「ただし、〇〇すること」といった“おまけ”をつけることがよくあります。 この“おまけ”のことを法律用語で「附款(ふかん)」と呼びます。 「運転……
行政庁が一度出した「営業許可」や「課税処分」。もしそれが間違っていたり、後から状況が変わったりした場合、どうなるのでしょうか? 実は、行政法ではその処分の効力を消す方法として「取消し(とりけし)」と「撤回(てっかい)」という2つの用語を厳密に使い分けています。日常用語では似たような意味ですが、試験……
行政書士試験の行政法において、最も出題頻度が高く、かつ最も重要なテーマが「行政行為(ぎょうせいこうい)」です。 しかし、テキストを開くと「公定力」「不可争力」といった難解な用語や、「許可」「認可」「特許」といった似たような言葉が並び、混乱してしまう受験生が後を絶ちません。 「なぜ違法な処分でも、勝……
行政法を勉強していると、「国が~」という表現と「国土交通大臣が~」という表現が出てきて、「結局、主語は誰なの?」と混乱することはありませんか? また、実務やニュースで「専決(せんけつ)」や「決裁(けっさい)」という言葉を聞くけれど、法律上の「委任」や「代理」と何が違うのか、明確に区別できているでし……
行政法の中でも、「行政組織法」の分野は暗記要素が強く、後回しにされがちなテーマです。 しかし、この分野は「誰が(どの機関が)」「どのようなルールで」仕事をしているかを知るための、行政法の「配役紹介(キャスト紹介)」のようなものです。 例えば、ニュースでよく聞く「デジタル庁」や「こども家庭庁」は、法……
私たちが普段何気なく利用している「道路」や「公園」、あるいは手続きで訪れる「市役所」。これらは行政法学上、まとめて「公物(こうぶつ)」と呼ばれます。 「公物なんて言葉、試験に出るの?」と思われるかもしれません。しかし、公物は国家賠償法(道路の管理瑕疵など)や、取得時効(公道は自分のものにできるか?……
行政書士試験の行政法分野において、受験生を悩ませるのが「公法と私法」というテーマです。 「行政法は公法だから、民法(私法)は関係ないのでは?」と思いきや、試験では「行政活動に民法が適用されるか?」という論点が頻出します。 公営住宅の家賃滞納、公立病院の治療費、税金の滞納処分……。これらは行政の活動……
「行政法という科目が一番配点が高いのに、テキストを読んでも抽象的すぎて全く頭に入ってこない……」 独学で行政書士試験に挑む社会人の皆さんが、必ずと言っていいほど最初にぶつかる壁がこの「行政法」です。 なぜ難しく感じるのか?それは、民法や刑法のように「行政法」という名前の六法が存在しないからです。 ……