2026年度がスタートした4月上旬(4月1日~10日)は、私たちの生活や実務に直結する重要な法改正が一斉に施行されました。
特に今年は、自転車の「青切符」制度や、民法の「共同親権」導入など、行政書士試験の法令科目でそのまま出題されうる超重要テーマが目白押しです。また、個人情報保護法や成年後見制度の新たな改正案も閣議決定されています。
今回は、この直近10日間のニュースを試験対策の視点で徹底解説し、記事の後半で一括チェックテストを行います。
1.【法改正・行政法】自転車の「青切符」制度スタート(4/1施行)
4月1日、改正道路交通法が施行され、自転車の交通違反に対する「交通反則通告制度(いわゆる青切符)」の適用が開始されました。
行政書士試験的・解説:交通反則通告制度の法的性質
行政法(行政罰)の分野で頻出の制度です。
- 制度の趣旨:比較的軽微な交通違反について、反則者が期日までに反則金を納付すれば、公訴を提起されない(刑事裁判にならない)という特例制度です。
- 法的性質:反則金の納付は任意であり、納付しない場合は通常の刑事手続き(検察官への送致など)に移行します。
2.【法改正・民法】離婚後の「共同親権」導入など民法改正施行(4/1施行)
同じく4月1日、離婚後の子の養育に関する改正民法が施行されました。家族法の歴史的な大転換となります。
これまで離婚後は「単独親権」しか認められていませんでしたが、父母の協議により「共同親権」を選択できるようになりました。
行政書士試験的・解説:親権の行使方法
民法(親族法)の最新条文知識として必ず押さえましょう。
- 原則:共同親権の場合、親権は父母が共同して行使します。
- 例外(単独行使):「子の利益のため急迫の事情があるとき」や「監護および教育に関する日常の行為」については、共同親権であっても単独で行使することができます。
- 協議が調わない場合:家庭裁判所が、単独親権か共同親権かを定めます。
3.【民法】成年後見制度見直し・デジタル遺言の改正案閣議決定(4/3)
4月3日、政府は成年後見制度の抜本的な見直しと「デジタル遺言」の創設を柱とする民法改正案を閣議決定しました。
成年後見の「終身制」を廃止し、必要に応じて終了できる仕組みの導入や、インターネット上で作成・保管できるデジタル遺言の創設が盛り込まれています。
行政書士試験的・解説:現行の成年後見制度
改正案が国会に提出された段階ですが、まずは「現行法」のルールを正確に理解することが重要です。
- 現行の終了事由:法定後見(後見・保佐・補助)は、本人の判断能力が回復して家庭裁判所が開始の審判を取り消すか、本人が死亡するまで継続するのが原則です(終身制)。
- 遺言の方式:現行法では、自筆証書遺言は「全文、日付および氏名を自書し、これに印を押さなければならない」とされており、デジタルデータでの作成は認められていません(財産目録のパソコン作成は可)。
4.【情報通信】個人情報保護法改正案が閣議決定(4/7)
4月7日、AI開発の促進や、悪質な違反行為に対する「課徴金制度」の導入を盛り込んだ個人情報保護法改正案が閣議決定されました。
個人の権利保護を図りつつ、生成AIの学習データとしての円滑な利用を促進するルール作りが進められています。
行政書士試験的・解説:課徴金制度とは
行政法および基礎知識で問われる「行政上の金銭的制裁」です。
- 課徴金制度:行政法規の違反者に対して、行政庁が科す金銭的な不利益処分のことです。
- 他の法律での例:独占禁止法(カルテルなど)や、景品表示法(不当表示)、金融商品取引法(インサイダー取引など)ですでに導入されていますが、個人情報保護法にも導入される方向です。
5.【政治・経済】石油の国家備蓄放出の方針(4/10)
4月10日、中東情勢の緊迫化(米イラン協議など)による原油価格の高騰懸念を受け、高市総理は石油の国家備蓄を放出する方針を示しました。
エネルギーの安定供給を確保するため、国が保有する備蓄石油を市場に供給し、価格の安定を図る狙いがあります。
行政書士試験的・解説:日本のエネルギー事情
基礎知識(経済・社会)における日本のエネルギー自給率と輸入先は頻出データです。
- 原油の中東依存度:日本の原油輸入は、約9割を中東地域に依存しています。そのため、中東情勢の悪化は日本経済に直結します。
- 石油備蓄:日本では、国が保有する「国家備蓄」と、民間企業に義務付けられている「民間備蓄」の2本立てでエネルギー危機に備えています。
6. 実戦!時事チェックテスト(全5問)
ここまでのニュース内容が頭に入っているか、一問一答形式で確認しましょう。
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正解 ×
解説:反則金を納付した場合は、その違反行為について公訴を提起されない(刑事訴追されない)ことになります。これが交通反則通告制度の最大の特長です。
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正解 ×
解説:改正民法では、父母の協議により、双方を親権者とする(共同親権)か、または一方を親権者とする(単独親権)かを選択して定めることができます。「必ず共同親権にしなければならない」わけではありません。
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正解 ○
解説:記述の通りです(民法10条)。後見開始の原因が消滅したときは、家庭裁判所は審判を取り消します。これが現行法における後見終了の主な事由の一つです。
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正解 ○
解説:記述の通りです。不当な利益を剥奪し、違反行為を抑止するための行政上の措置であり、刑罰(罰金)とは異なります。
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正解 ×
解説:日本の原油輸入は、約9割を中東地域に依存しています。そのため、中東情勢の悪化は日本経済に極めて深刻な影響を与えます。
7. まとめ:4月上旬のチェックポイント
4月上旬のニュースからは、以下のキーワードを持ち帰りましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 自転車の青切符を無視したらどうなりますか?
反則金を期日までに納付しなかった場合、交通反則通告制度の特例が適用されなくなり、通常の刑事手続き(検察への送致、起訴、罰金刑など)に移行することになります。
Q2. 共同親権の場合、子どもの進学先などで意見が対立したらどうなりますか?
親権の行使について父母間で協議が調わないときは、家庭裁判所が親権の行使について必要な事項を定めることになります。
反則金を期日までに納付しなかった場合、交通反則通告制度の特例が適用されなくなり、通常の刑事手続き(検察への送致、起訴、罰金刑など)に移行することになります。
Q2. 共同親権の場合、子どもの進学先などで意見が対立したらどうなりますか?
親権の行使について父母間で協議が調わないときは、家庭裁判所が親権の行使について必要な事項を定めることになります。